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わかさま陶芸の益子焼は、気温、湿度、風、日光などたくさんの自然と共に作っています

自然に囲まれた益子の風景と工房の四季

自然のそばで、自然と共に作るわかさま陶芸のぬくもりのある益子焼

昨日降った雪がまだ工房の回りに残っている。
「今朝は雪かきからだな。スタッフは来られただろうか?」
一足先に出勤しているスタッフがすでに工房のまわりの雪をかいていた。
今朝はきのうの雪模様と違って、雲ひとつないいい天気だ。

天候が回復したので、昨日までに作っておいた器を天日に干す。
部屋の中で温まった器が表の凍てつく空気に触れて乾燥するにつれて湯気を立てている。

水をたっぷりと含んでいてたまらなく冷たい粘土を、ロクロの上にすえつける。
触っているだけで指がかじかんでよく動かなくなる。
外の桶に入っている釉薬も氷が厚く張りなかなか掬い出すことが出来なくなる。
暖かくなるのが待ち遠しい季節である。

工房の前に見える木々が少し紫がかって煙っているように見える。
少しつづ木々が芽吹き始めている証拠だ。
あたりの雑草も若草色の新芽を持ち始めている。
きっと、5月の連休が過ぎた頃には新緑の芽吹きも終って、
周りの山々は緑一色に変わっていることだろう。

今日から新しいスタッフが大学を卒業して新卒でやってくる日だ。
若いフレッシュな魂で工房を活気つけてくれるのが楽しみだ。

工房では、既に5月の陶器市に出展する器作りが本格化している。
随分と気温も温かくもなってきて仕事の進み具合も順調だ。
ロクロを引く者、粘土を練る者、タタラ成型で皿を作る者、窯をたく準備に追われる者。
それぞれの役割の中で慌ただしく動き回っている。

窯場に立ち寄る。
昨日の夕方に火をつけた窯も今朝温度計見てみると1200℃くらいになっている。
色味穴から中を覗いてみると、器が赤く発光している。

まだ紫がかっている色合いだがもう少したつともっと白みがかった赤になるはずだ。
炊き上がるまで後、4~5時間といったところだろうか。
もう何百回と焚いている窯だが窯出しの際にはいつも楽しみでもあり・不安でもあり緊張する。
焼き上がりはいつも毎回少しつづ違っている。

どんなに経験を積んでもやっぱり「何でこんな風になってしまったのか?」
わからないことが起きるのです。
最後は、窯任せ、火に委ねるより仕方ないところが陶芸の怖さでもあり魅力でもあるのです。

工房の周りの木々の緑もその深さを増し、蝉の声もけたたましく感じられる。
朝からぎらぎらの太陽が照りつけ、朝からの窯仕事も体力勝負になる。

まだ、200℃近くある窯を開くと熱気が辺りに充満する。
あっという間にTシャツが汗でびしょびしょになってくるのがわかる。
昨日は、1日でTシャツを5枚着替えてしまった。

こんな環境でもスタッフは、不平ひとつ言わずもくもくと作業をしていてくれる。
頭が下がる思いだ。そんな彼ら彼女達が自分の窯を持ち独り立ちして、うまく生活が成り立つことを祈るばかり。
そのために私に出来ることを惜しまずにしてあげようと思う。

夏の工房は、とにかく蒸し暑い。
工房は作ったものが乾燥しすぎないような間取りになっているため
わざと風透しが悪く作られている。
夏は特に集中力を保つのが難しい時期だ。

午後5時半。一日の仕事が終った。
しかし工房は夜遅くになっても明かりがついている。
明日の陶芸家を夢見て若いスタッフがロクロの練習に励んでいるからだ。

土の勢いを殺さずにロクロを使って器を作るようになるには長い修行期間が
必要になる。
スポーツの訓練と一緒で毎日の反復練習の積み重ねが肝となる。
自分の思いを土という素材を使って相手に伝えていくまでになれるのは、
時間が掛かることなのだ。

今月はじめは、秋の益子陶器市。
これが終わるとやっとひと段落といったところか。

秋の訪れとともに工房の木々の葉も紅葉し始めた。
この時期の落葉はちょっとした曲者になる。

わかさま陶芸は化粧泥掛けという技法も多く用いているのだが、
化粧泥という材料を生乾きの器に掛けたあと、
すぐに天日に干して乾かさなければならないのです。
その化粧泥が乾く前に落葉がそこに落ちてしまうと、
商品にならなくなってしまうのです。
秋の木枯らしは時として罪作りな存在となる。

秋の夕暮れは早く4時半にはあたりは真っ暗になる。
いつもより外作業はずっと早く切り上げなければならなくなる。

これから冬に備えて、”灰漉し”の作業をしなければならない、冬の間使う分の釉薬の原料を暖かいうちに作っておくのだ。
材料は、稲刈りが終った後のもみがら。
これを焼いて、つぶすと真っ黒な灰になる。これを水につけ篩(ふるい)にかける。
そうすると、燃え残っている籾殻を取り除き真っ黒な灰の液体が残る。これを釉薬の原料として使う。
真っ黒な灰は、なんと真っ白な色として発色する原料になる。
身近な素材を原料として焼き物が作られていることに驚く。

土、稲のもみがら、湧き水などの原料となるものをはじめ、気温、湿度、風、日光なども全て自然から与えらるもの、そのままを受けて、込めて作る。

なんでも、大昔の陶工は、半農半陶であったという。
暖かい時期は農作業をして、冬農作業の出来ない時期に陶器を作っていたという。さもありなんと思う。